健康保険の保険料は、決められた保険料率によって算出され、それを事業主と被保険者で負担することになっています。
 保険料率は、健保組合の場合、標準報酬の千分の30から千分の120までの範囲内で、その組合の実情に応じて決めることが許されており、当組合の場合は、この保険料率が千分の100(平成27年度現在)です。
 また、事業主の負担割合と被保険者の負担割合も、組合は自主性によって決めることが許されています。但し、被保険者の負担割合は、事業主の負担割合と同じか、又はそれ以下となっています。
 このような理由から、当組合の現在の健康保険料率は一般保険料の千分の98.8と、調整保険料率の千分の1.2を加えた、千分の100を被保険者が千分の48.5、事業主が千分の51.5の割合で負担していただいています。
 この保険料率の決定は非常に重要なことですので、毎年、健保組合の役員会(理事会並びに組合会)の議決を経て決定されます。
標準報酬月額保険料額表のダウンロード
 平成27年3月分保険料より
(基本保険料・特定保険料の内訳入り)
 (A3サイズ)
(A3サイズ)
平成27年度 保険料率            (単位:‰)
保険料種別
事業主
被保険者





一般
保険料
基本保険料
50.900
30.254
47.900
27.254
98.800
57.508
特定保険料
20.646
20.646
41.292
調整保険料
0.600
0.600
1.200
51.500
48.500
100.000
介護保険料
8.250
8.250
16.500
合    計
59.750
56.750
116.500

 保険料額表や納入告知書には、一般保険料の内訳として 「基本保険料額 」と「特定保険料額」が納入告知書に再掲されています。
 高齢者の医療制度について現役世代が支援することが法律で定められていますが、保険料収入のうち、高齢者向け医療制度への支援にどの程度充てられるかを明確にするため、「特定保険料」として表示することになりました。
 一方、 「基本保険料 」とは、現役世代を対象とする健保組合本来の事業に支出する部分です。医療費、現金給付(高額療養費、傷病手当金、出産育児一時金等)、健診費用等に充てられます。

 全国1,410(平成26年4月1日現在)の健康保険組合は、高額医療費の共同負担事業と財政窮迫組合の助成事業(財政調整)を共同して行っています。調整保険料とは、高額な医療給付が生じたために財源が不均衡にならないように、健康保険組合連合会が行う再保険的事業にかかる保険料のことです。
 この保険料は、被保険者と事業主が納める健康保険料に含まれています。保険料率は政令で定められる千分の1.3に、その組合の財政に応じた若干の増減率(修正率)を乗じて決まります。当組合の場合、平成27年度は千分の1.2に決定されました。
 医療保険に加入する40歳以上65歳未満の被保険者及び被扶養者(共に介護保険法の第2号被保険者)の介護保険料は、健康保険組合などの、医療保険者が一般保険料と一括で徴収して、社会保険診療報酬支払基金へ納付することになっています。これを介護給付費納付金といいます。被扶養者についての介護保険料は、被保険者の保険料に含まれますので負担はありません。
 また、40歳未満もしくは65歳以上の被保険者の介護保険料負担はありませんが、40歳以上65歳未満の被扶養者を有する40歳未満もしくは65歳以上の被保険者(これを特定被保険者という)の介護保険料負担については、各健康保険組合により独自に決められています。当組合の場合、ご家族の介護保険料は徴収しておりません。
 健康保険組合の介護保険料率は、この介護給付費納付金を40歳以上65歳未満の被保険者本人の標準報酬総額で割って算出しており、各保険組合の介護保険料率と負担割合も、組合の事情により、自主的に決めることができます。 当組合の場合は、平成26年度は千分の16.50になります。この保険料率で算出された保険料を、事業主及び被保険者で折半してお預かりしています。
介護保険料率
事業主 被保険者
8.25/1000 8.25/1000
 保険料は、決められた標準報酬月額に保険料率を乗ずるわけですが、これを事業所単位で行います。その計算例を、標準報酬月額320千円の被保険者を例にとってみますと次のようになります。
 この内訳は、被保険者の負担が15,520円(千分の48.5)、事業主の負担が16,480円(千分の51.5)となります。
例. 標準報酬月額320千円の場合
320千円×千分の100=32,000円
事 業 主 (千分の51.5):16,480円
被保険者(千分の48.5):15,520円
 また、保険料は、被保険者になった日の属する月から納めることになります。
 例えば、月末に組合に加入した人も、月初めに加入した人も、同じくその1カ月の保険料がかかることになります。資格を喪失した場合は、被保険者でなくなった日の属する月の保険料は計算されません。
 但し、被保険者となった月に会社をやめ、被保険者の資格を失った場合は、その月の保険料は計算され、納入しなければならないことになっています。これを「同月得喪」の取扱いといいます。
 よくある例として、月の末日に退社する人があります。この場合の資格喪失日は、翌月の1日となりますので、退社した月も保険料がかかります。間違いやすい点ですから注意してください。
 被保険者が当ホームページ「保険給付関係情報」「法定給付」の「出産手当金」の支給対象となった場合に、被保険者及び事業主負担分の保険料(健康保険・年金分共)が免除される制度です。

 ○保険料の開始日・・・「産休を開始した日の属する月」
               (出産手当金の最初の支給対象日の属する月) 

 育児休業保険料の免除とは、被保険者が勤務先を休職して育児に専念したとき、育児休業中の被保険者及び事業主負担分の保険料(健康保険・年金分共)が免除される制度です。

 ○対象となる子の年齢・・・「3歳未満」
 ○保険料免除の開始・・・「育児休業を開始した日の属する月」

 育児休業が終了し、職場復帰後育児のために賃金が下がった場合は、従前より1等級差であっても月額変更の取り扱いをします。

 育児休業による保険料免除や終了後の月額変更の届出は、速やかに健康保険と厚生年金それぞれご提出ください。

 保険料は毎月、事業主が「被保険者負担分と事業主負担分とを一括」して納入します。これは「事業主の納付義務」として法律で定められていることです。そのために、被保険者の給料から、前月分の保険料(被保険者負担分)を控除してよいことになっています。
 毎月の保険料は、納付書に記載のある納付期限まで納入することとなっております。従って、組合から、遅くとも納付期限の10日前までには、納入告知書が各事業所に送られます。これによって、納付義務者である事業主は、組合指定の銀行の窓口又は組合へ直接に、期日までに保険料を納付してください。
 当組合では、保険料納付に便利な預金口座振替制度を採用しています。
 預金口座振替を希望される場合には、組合に用意された「預金口座振替・自動払込利用申請書」の提出が必要となります。
 任意継続は、一般の被保険者と下記の点が違います。
1.保険料の納期を過ぎてしまったときは、被保険者の資格を失います。
2.保険料は事業主負担分も含めて、全額自己負担。
 納付方法は、郵便局あるいは組合窓口(現金書留も可)で納めていただきます。自動引き落としは、現在行っておりません。
 納付書の右下に印字してある納付期限を過ぎてしまうと、被保険者資格を失ってしまいますので、ご注意下さい。
 任意継続被保険者の保険料は、退職時の標準報酬か、前年度9月30日現在の組合全被保険者の標準報酬月額平均、いずれか低い額となります。この決定された標準報酬が4月1日から翌年3月31日まで保険料や保険給付の計算に使われます。
昨年度の当組合の平均は 退職時の標準報酬月額 × 保険料率
320,000円です (上限320,000円) (千分の100)
 保険料は、納付書に記載のある納付期限まで納入することとなっておりますが、事業所が廃止となったような場合で、保険料が徴収できなくなる恐れが生じたときには、繰り上げて保険料を徴収できることになっています。
 また、事業主が「納入告知書」の額よりも余計に保険料を納めてしまったり(これを過誤納という)、あるいは遡りの保険料計算等により、「納入告知書」の額が本来事業主の納めるべき保険料額よりも多いことが分かったりした場合、法令により納入した月以降6カ月間の期間にかかる保険料を繰り上げて納付したものとみなす取扱いをします。保険料を前納した形とするわけです。
 したがって、事業所の廃止等により、将来納めるべき保険料がないとき、および6カ月間の保険料に充ててもなお、納付した金額に余りがある場合には、その差額が事業主に還付されます。
 もしも、保険料を納付期限までに納付されない場合は、組合から期限を指定した督促状を送り、納入の督促をします。督促状に記載された「指定期限」までに保険料が納付されないときは、最初の納付期限の翌日から最初の3カ月間は、平成27年1月1日以降について年利2.8%、4カ月目以降は9.1%の割合で延滞金がかかります。
 この延滞金は、保険料が完納される前日まで計算されることになります。
 そして、督促状の指定期限が過ぎても納付されないときは、当組合が財産を差し押さえるなど、滞納処分が行われることにもなりかねません。
 健康保険では、保険料は被保険者の収入に応じて決められます。しかし、被保険者の収入は、月によっても違うため、収入額をそのまま計算の基礎にすることは、大変な事務煩雑化が予想されます。
 そこで、計算しやすい単位で区分した仮の報酬を決め、被保険者の給与等をこれに当てはめ、保険料の計算の基礎としています。この仮の報酬を、標準報酬月額といい、標準報酬月額は58,000円から1,210,000円までの47等級に分けられています。
 標準報酬は保険料を計算するときだけでなく、傷病手当金、出産手当金を計算するときにも使われます。
 賞与については、標準賞与額という基準になる額を定めて計算します。標準賞与額は賞与の1,000円未満の端数を切り捨てた額です。例えば、289,500円の支給があった場合、1,000円未満は切り捨てのため、289,000円に読み直し、これに対して当組合の保険料率を乗じて計算します。
 つまり、被保険者の負担14,016円(千分の48.5)で、事業主の負担が14,884円(千分の51.5)となります。また、介護保険料に関しても、同じ方法による算出となり、千分の16.5を乗じて算出します。
例. 賞与額289,500円の場合
289,000円×千分の100=28,900円
事 業 主 (千分の51.5):14,884円
被保険者(千分の48.5):14,016円
 ただし、標準賞与額の上限は、年度(4月〜翌年3月)累計540万円とされています。
 賞与分の保険料告知(請求)額は、標準賞与額(実際の賞与支払額から千円未満を切り捨てた金額)の総額に対して保険料率を乗じたものとなっております。
被保険者全員の標準賞与額の総計   × 100.0/1,000 (健康保険料)
×  16.5/1,000 (介護保険料)
※ 被保険者分・事業主分の内訳は下表、被保険者・事業主分の保険料率内訳をご参照ください。




被保険者の方々から、賞与保険料として賞与から控除額を計算される際に、それぞれ端数が生じる場合があります。その取り扱いとしては、被保険者分は端数切り捨てで控除をお願いいたします。そして実際の保険料告知額と誤差が生じる場合は、大変恐縮ではございますが、差額は事業主様負担でお願いします。
 ※ 被保険者・事業主分の保険料率内訳
保険料区分
被保険者
事業主
(合 計)
健康保険料
48.5/1000
51.5/1000
(100.0/1000)
介護保険料
 8.25/1000
 8.25/1000
(16.5/1000)
 この説明は、「賞与に係る保険料」についての内容をあらためてご説明したものですが、一般保険料についても同様の取り扱いとなっておりますので、宜しくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
 健康保険で言う「報酬」とは、給与、俸給、手当など、被保険者が労働の対償として受けるもの全てが含まれます。支払い方法が金銭によるか現物であるかを問わず、労働の対償であれば報酬になります。
 また「賞与」とは賃金、給与、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、3カ月を超える期間ごとに支払われるものです。ただし、年4回以上支給される場合、賞与ではなく報酬と考えます。
報酬から除かれるものとしては、慶弔金や大入り袋など、臨時に受けるものが該当します。
 現金支給
 (基本給・残業代・諸手当等)
 現物支給
 (定期券等)
 賞 与
 (3カ月を超えて支払われる賃金)
 臨時収入・大入り袋・見舞金
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