入浴(ボディケア含む)、温泉、クアハウス、銭湯(変わり種入浴等々)






「端午の節句」「土用の桃湯」「冬至の柚子湯」……風呂好きの日本人は、昔から四季折々の季節感を取り込みながら入浴を楽しんできました。またそれがただの風流ではなく、1年の節目におけるみそぎ祓いと魔よけ、さらには薬湯の役割を持っていました。もともと入浴は仏教の作法で、僧侶が温水により体を浄めていたのが一般に浸透したもので、いわゆる心身の汚れを洗い清めるという「みそぎ」の意味があったのです。
 ところがシャワーが普及し、ゆっくりと湯船につからないシャワー派が増えるにしたがいそうした習慣はすたれ、冷え性等の症状を訴える不健康な人が増えてきました。
 入浴は、心も体も癒される至福の時。大切なリラクセーションタイムは、自分のためにもっと演出を工夫したいものです。疲れ果てた体を湯船にしずめる時、その気持ち良さに思わず声が出てしまった経験は誰にでもあるはずです。そんな一時を、ぜひ取り戻したいものです。

では、入浴による効能をすこし具体的にみてみましょう。
 まず、体が清潔になること。私たちは1日に600〜700mlの汗と脂肪を皮膚表面から分泌しており、これに付着した様々なほこりも一緒に洗い流しさっぱりした気持ちになれます。次に、温熱と水圧による刺激で血行を促し、新陳代謝を盛んにし、体内にたまった老廃物を排出して疲労を回復させる作用を持っています。3つめは浮力効果。浮力で体の重みが約9分の1になるのを利用し、運動機能の回復訓練を行うことができます。さらに忘れてならないのが、精神的にも寛いだ気分にさせてくれるストレス解消効果です。
 日本人は昔から熱い湯に肩までつかる入浴スタイルが多かったのですが、これではリラックス効果は得られません。熱い湯は長く入っていられないので、体を芯から温める効果が低いのです。熱い湯は、スッキリ目覚める朝の入浴にむいています。
 湯温はぬるめ(ぬるい湯ではない)の38〜40℃、体温よりちょっと高い湯にゆっくり20分位入るのが基本です。ぬるめの湯は副交感神経が働き、脳内のα波が増えて心臓の鼓動や脈拍もゆっくりになり、リラックス効果が生まれるのです。ぬるめの湯だと血液がジワジワ温められてゆっくり体内を循環するので、体に負担もかかりません。

このリラックス効果をさらに高めるのが、胸の下まで湯につかる半身浴。半身浴は血流の滞りがちな下半身だけに水圧がかかり、心臓に負担をかけず、体に無理のない安全な入浴法で、様々な慢性疾患にも効果があると言われています。
 半身浴の注意点としては、次のようなものがあげられます。

最初はきちっと温度(38〜40℃)を確認し、みぞおちから下を約20分、うっすら汗をかくまでつかる。
寒い場合は、肩に乾いたタオル等をかける。
汗をかくので、必ず水分補給をする。水分を取らないと血液濃度が上がってしまう。
手があくので、エクササイズをしたり、本を読んだりいろいろと工夫する。


 半身浴の他にも、足浴、手浴、座浴等の部分浴があります。気分や目的に応じてうまくアレンジしてみてください。




腰痛・肩凝り等 痛みにもいろいろありますが、入浴で効果があるのは「凝り」の痛みだけ。39℃位の中温浴でゆっくり体を温め、血液循環がよくなってから湯船の中で体をもみほぐしたり、軽い体操をします。
痔の痛み 熱い湯は厳禁。35℃位のぬるい湯にゆっくりつかり、肛門の括約筋の収縮運動をすると効果的です。イチジク葉の薬湯が有名ですが、サイプレス(エッセンシャルオイル)を数滴、湯をはった洗面器に落として座湯するのも効果があります。
不眠症 ぬるめの湯にゆっくりと。入浴は寝る前がおすすめです。ラベンダー(エッセンシャルオイル)を数滴入浴剤がわりにバスタブに落とすと、さらにリラックスできます。入浴できない時は、足湯だけでも効果あり。足湯は熱めの42〜44℃で。
冷え性 湯あがりに、手足の冷える部分にシャワーで湯と水を交互にかけます。まず湯を3分、続いて水を10秒、これを5セット行います。反復部分浴により自律神経の調整機能が回復します。
二日酔い とにかく水分を多くとってアルコールを抜くこと。それには利尿効果の高い中温反復浴(5分入ったら2分出てさらに8分入る)が最適。汗が出ると体液が濃くなるので、入浴前には必ずコップ1杯の水を飲むこと。
水虫 清潔と乾燥が基本。水虫の部分を石鹸でよく洗い、入浴後は清潔なタオルで水分をよく拭き取ること。スリッパやバスマットなどについた自分の水虫菌に再感染しないように。ラベンダーの足浴も効果あり。
目覚め 42℃位の熱めの湯にサッと入りサッと出ます。高温入浴で交感神経が刺激され、やる気が出てきます。ただし、高温浴は高血圧等の疾患をもった人や寝る前にはむきません。




今や入浴剤の種類は選ぶのに困るほど出回っています。既製品に頼らず、たまには身近なものを使って簡単な入浴剤を自作してみるのも、また違った味わいがあります。


効果/ 体が温まり、冷え性や貧血、腰痛、美容等に効果あり。
方法/ みかんの皮を乾燥させたもの(陳皮)100gを布袋に詰め、湯に浮かべるだけ。乾燥させずにそのまま使っても、いい香りを楽しめます。

効果/ 冷え性に効果あり。皮膚を丈夫にするので、アトピー性皮膚炎改善にも期待。
方法/ ニンニク1個をすり下ろして湯にまぜますが、薄くスライスして布袋に入れてもOK。

効果/ 体が温まり、冷え性や神経痛、腰痛、自律神経失調症に効果あり。
方法/ 生の松の葉を煎じた液を湯に入れる。香りが目的なら葉を布袋に入れそのまま湯に浮かべます。

効果/ 体が温まり、冷え性や神経痛、腰痛等に効果あり。
方法/ 乾燥させた大根の葉100gを布袋に詰め、湯にいれるだけ。

効果/ 体の芯からよく温まります。
方法/ ミネラルが豊富な自然塩をひと掴み湯に入れるだけ。40℃位が適温です。

効果/ 疲労回復、リラックス(ハーブにより様々な効果)
方法/ 好みのハーブ2カップに水1リットルで弱火で20分、沸騰させないように煮てから、ガーゼでこしてエキスをとり、湯に入れます。面倒な人は、エッセンシャルオイルを数滴湯に落としてかきまぜるだけでもOKです。

効果/ 肩凝り、筋肉痛
方法/ 5合ほどの酒をぬるめの湯に入れ、10分程度つかるだけ。



もっと入浴を楽しむために、浴室に観葉植物を置いたり、お気に入りの音楽をかけながら入るのも楽しいものです。今ではお風呂用の本まであるので、長湯の材料には事欠きません。
 スポンジやマッサージ器、枕に指圧グッズ、防水テレビにラジオと、バスグッズも豊富に揃っているので、うまく使いこなしたいものです。週に一度位、長湯してもいいのでは。





運動や帰宅後は1時間おいてから。
運動直後は筋肉の疲れがとれにくくなっています。

飲酒後は酔いがさめてから。
ぬるめの湯がむいています。

食事の直前・直後は避ける。
食前30分、食後1時間半位たってから。入浴により消化・吸収力が低下します。

入浴前のかけ湯は忘れずに。
体を湯温にならすのと、汚れを落とすため。特に冬場は注意。

ゆっくり湯船に入る。
一気にはいらず、足からゆっくりと。

湯船でしゃがまない。
しゃがむ姿勢は血圧が上がりやすいので要注意。

心臓から遠いところから洗う。
外からだんだん体の中心へ。静脈血を心臓に戻すような感じで血行を促します。

湯冷めを防ぐ。
入浴後の汗は体温を奪うので、手早く体の水気を取ること。

最後にぬるめのあがり湯を。
湯冷め防止。皮膚の血管を細くし、脳を刺激して体温調節を促します。

冬場の温度差に注意。
血圧を上げないため、部屋と風呂場・脱衣場の温度差をできるだけなくします。